住友商事への転職を検討するなら、「実際にどれくらいもらえるのか」は最も気になるポイントでしょう。
2025年3月期の有価証券報告書によると、住友商事の平均年収は1,744万円(平均年齢43.2歳)。前年の1,758万円からわずかに減少したものの、依然として国内トップクラスの高水準を維持しています。
しかし平均年収は全社員の平均値にすぎません。転職者が本当に知りたいのは、「自分が入社したらいくらもらえるのか」「何歳でいくらに届くのか」ではないでしょうか。
本記事では、有価証券報告書の公式データに加え、口コミサイトや転職サイトの情報をもとに、住友商事の年収を「グレード別」「年齢別」「五大商社比較」の切り口で詳しく解説します。転職後のリアルな年収イメージをつかむための参考にしてください。
住友商事の平均年収推移|コロナ赤字から急回復
まずは住友商事の平均年収の推移を確認しましょう。2021年3月期はコロナ禍に伴う資源関連の損失で通期1,531億円の赤字を計上し、年収が大きく落ち込みました。しかしその後は業績回復とともにV字回復を遂げています。
| 決算期 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 2025年3月期 | 1,744万円 | 43.2歳 |
| 2024年3月期 | 1,758万円 | 43.1歳 |
| 2023年3月期 | 1,605万円 | 43.2歳 |
| 2022年3月期 | 1,406万円 | 43.1歳 |
| 2021年3月期 | 1,356万円 | 42.7歳 |
2022年3月期以降は毎年大幅に上昇し、2024年3月期には1,758万円と過去最高を記録。2025年3月期は若干の減少となりましたが、これは業績連動型の賞与が年度の利益水準に左右されるためであり、依然として1,700万円台の高水準です。
なお、43歳で年収1,744万円の場合、国税庁・日本年金機構の公式情報をもとに試算すると、年間の手取り額は約1,153万円、月あたりの手取りは約96万円になります。
住友商事の年収構成|賞与が年収の3〜4割を占める

住友商事の年収がどのような要素で構成されているかを理解しておくことは、転職時の年収交渉やキャリアプランニングに直結します。
住友商事の年収は以下の計算式で構成されています。
年収 = 基本給(グレード別) + 残業代 + 賞与(年2回) + 各種手当
基本給はグレード(等級)によって決定されます。丸紅と同様に、部門による基本給の差はありません。同じグレードであれば営業部門でもコーポレート部門でも基本給は同額です。部門間の差が出るのは主に賞与の部分です。
賞与(ボーナス)は年収全体の3〜4割を占めます。6月・12月の年2回支給で、全社の業績と個人の評価に連動する仕組みです。業績好調な年には賞与が大きく跳ね上がり、2024年3月期の過去最高年収もこの賞与増が主因です。逆に赤字決算となった2021年3月期には賞与が大幅に減少し、年収が前年から約80万円下落しました。
残業代はAP(管理職)グレードに達するまでは実際の残業時間に応じて支給されます。口コミによると年間の残業代は概ね200万円程度が上限とされ、若手社員にとっては年収を底上げする重要な要素です。ただしAP以降は残業代がなくなり、基本給と賞与のみで構成されます。
評価制度は基本的に年功序列の色合いが強く、P2・P1グレードの間は同期でほとんど差がつきません。一方でAPグレードへの昇進以降は評価によって差が開き始めます。口コミでは「年功序列がベースだが、実力主義の人事制度が導入され始めており、今後は差が出やすくなる」という声が見られます。2024年4月にはSBU(Strategic Business Unit)ベースの新組織体制に移行しており、より成果が反映される方向に向かっています。
【グレード別】住友商事の役職別年収テーブル
住友商事は「P2→P1→AP5〜AP1」のグレード制を採用しています。中途入社の場合は前職の経験やスキルに応じてグレードが決定されるため、自分がどのグレードに該当しそうかを把握しておくことが年収交渉のカギになります。
| グレード | 役職イメージ | 年次目安 | 年収レンジ |
|---|---|---|---|
| P2 | 一般社員(若手) | 1〜4年目 | 550万〜1,000万円 |
| P1 | 一般社員(中堅) | 5〜9年目 | 1,000万〜1,400万円 |
| AP5 | 係長クラス | 10〜14年目 | 1,500万〜1,700万円 |
| AP4 | 課長クラス | 15〜19年目 | 1,800万〜2,000万円 |
| AP3 | 部長クラス | 20年目〜 | 2,000万〜2,200万円 |
| AP2 | 部長・本部長クラス | 評価次第 | 2,200万円〜 |
| AP1 | 本部長クラス | 評価次第 | 2,500万円〜 |
※口コミサイト・転職情報をもとに作成。個人の評価・部門業績等により変動します。
昇進の仕組みについて補足すると、学部卒はP2からスタートし、院卒もP2からですが初任給に差があります(学卒325,000円、院了360,000円)。P2からP1への昇進は同期横並びで進み、この間は基本給に差がつきません。差が出るのは賞与の部分のみです。
一方、AP(管理職)への昇進は昇進試験の合格が必要で、ここから明確に差がつきます。制度上は最短5年目からAPへの昇進が可能ですが、実態としては30代前半での昇進が一般的です。APへの昇進は出世コースの第一関門であり、最短でAPに到達し、その後役職付きで上位のAPグレードに上がっていくのが住友商事の出世コースとされています。なお、海外駐在経験は出世において事実上必須と言われています。
中途入社の場合は、前職での経験年数・役職・スキルを考慮してグレードが決定されます。2023年度の中途採用比率は47%(88名)と非常に高く、中途人材を積極的に受け入れている点は転職者にとって心強い材料です。30歳前後で総合商社や金融機関からの転職であればP1〜AP5程度(年収1,000万〜1,500万円)がオファーの目安になります。
【年齢別】住友商事の年収推移
転職後のキャリアプランを描くうえで、年齢ごとの年収水準を知っておくことは欠かせません。口コミデータや転職サイトの情報をもとに、年齢別の年収目安を整理しました。
| 年齢 | 年収目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 25歳 | 600万〜800万円 | P2グレード。残業代込みで初年度から高水準 |
| 28歳 | 800万〜1,000万円 | P2後半。残業次第で1,000万円に近づく |
| 30歳 | 1,000万〜1,300万円 | P1グレード。年収1,000万円超えが現実的に |
| 33歳 | 1,300万〜1,500万円 | AP5に昇格する人が出始める時期 |
| 35歳 | 1,500万〜1,800万円 | AP5〜AP4。海外駐在経験があればさらに上乗せ |
| 40歳 | 1,800万〜2,200万円 | AP4前後。課長クラスで年収2,000万円台に |
| 45歳 | 2,000万〜2,500万円 | AP3以上。部長クラスのポジション |
※口コミサイト(OpenWork、エンカイシャの評判等)の情報をもとに作成。残業時間・部門・個人評価により変動します。
年収カーブの特徴として、30歳前後で年収1,000万円を突破し、35歳で1,500万円前後、40歳で2,000万円台に到達するのが王道パターンです。P2・P1グレードの間は同期横並びで毎年安定的に昇給し、APグレードへの昇格タイミングで年収が大きくジャンプします。
住友商事の特徴として、基本給の比率が比較的高いため、賞与変動による年収のブレが他の商社に比べてやや小さいとされています。これは年収の安定性を重視する転職者にとってはプラス材料でしょう。
【五大商社比較】住友商事の年収は業界何位?
転職先として住友商事を検討するなら、同業他社との年収比較も欠かせません。2025年3月期の有価証券報告書にもとづく五大商社の最新データを見てみましょう。
| 順位 | 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 三菱商事 | 2,033万円 | 42.4歳 |
| 2位 | 三井物産 | 1,996万円 | 42.2歳 |
| 3位 | 伊藤忠商事 | 1,805万円 | 42.2歳 |
| 4位 | 住友商事 | 1,744万円 | 43.2歳 |
| 5位 | 丸紅 | 1,709万円 | 42.5歳 |
※出典:各社有価証券報告書(2025年3月期)
住友商事は4位に位置しています。トップの三菱商事との差は約289万円ですが、5社すべてが1,700万円を超えている点が重要です。五大商社の平均は約1,857万円で、日本の上場企業の中でトップクラスの給与水準であることに変わりありません。
有価証券報告書の平均年収は「単体ベース」の数字であり、管理職比率や従業員構成の違いが数値に影響する点には注意が必要です。口コミサイト上のデータでは各社の差はもう少し小さく、実際の年齢別・役職別で比較すると5社間の開きは平均年収ほど大きくないとする見方もあります。
住友商事は五大商社の中で「メディア・デジタル」「リース」「鋼管」の分野に強みを持ちます。2024年4月のSBU組織再編により事業ポートフォリオの多角化がさらに進んでおり、資源価格の変動に業績が大きく左右されにくい安定的な収益構造を構築しつつあります。
住友商事の福利厚生・手当

転職先を選ぶ際は、年収の額面だけでなく福利厚生や手当の充実度も重要な判断材料です。住友商事の福利厚生は総合商社らしく非常に手厚い内容が揃っています。
海外駐在手当は、年収に最も大きなインパクトを与える要素です。赴任手当に加え、住宅費・子どもの教育費が全額補助されます。情勢が厳しい地域にはハードシップ手当も加算されます。口コミによれば、海外駐在中の実質年収は国内勤務時の1.5〜2倍に達するケースがあり、「海外駐在の年数が生涯年収を大きく左右する」と言われるほどです。
住宅関連では、独身寮や借上社宅が利用可能で、家賃補助も単身・帯同・海外駐在で手厚く設定されています。若手社員にとっては住居費の大幅な節約につながり、可処分所得を高める効果があります。
家族関連では、子ども手当の支給に加え、育児休職・介護休職制度が整備されています。2015年には厚生労働大臣の「プラチナくるみん認定」を取得しており、両立支援に力を入れています。
キャリア支援として、海外トレーニー制度・語学研修・MBA留学派遣など成長機会が豊富です。社内公募やジョブローテーション制度も活発で、マネジメント職とスペシャリスト職の複線型キャリアパスが描ける点は転職者にとっても魅力的です。
その他、企業年金制度、確定拠出年金、社員持株会、診療所・カウンセリングセンターの設置なども整備されています。
働き方に関しては、月平均残業時間が9.9時間、離職率が1.6%、有給休暇取得日数が14.3日と公表されています。スーパーフレックス制度やリモートワーク制度も全社的に導入されており、「高年収でありながら残業時間が極めて短い」のは、転職先としての住友商事の際立った魅力です。平均勤続年数18年4ヶ月という数字も、働きやすさを裏付けています。
まとめ:住友商事の年収は1,744万円

住友商事の年収・給与のポイントを整理します。
- 平均年収1,744万円(2025年3月期)で1,700万円台の高水準を維持
- グレード制でキャリアパスが明確。P2(550万〜)→P1(1,000万〜)→AP5〜AP1(1,500万〜2,500万円超)
- 30歳で1,000万円超、40歳で2,000万円台が標準的な年収カーブ
- 五大商社4位だが全社1,700万円超。基本給比率が高く年収が安定しやすい
- 賞与は年収の3〜4割で業績連動。好業績時の上振れが大きい
- 海外駐在手当で実質年収が1.5〜2倍になるケースも
- 残業月9.9時間・離職率1.6%と五大商社トップレベルの働きやすさ
- 中途採用比率47%と積極的。30歳前後の転職実績も豊富
※本記事は2025年3月期の有価証券報告書および各種口コミサイトの公開情報をもとに作成しています。年収は個人の評価・部門・役職等により異なります。最新情報は公式サイトやエージェント経由でご確認ください。













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