「バクラク」で急成長中のLayerX。スタートアップながら、その年収水準はSaaS業界でも上位に位置します。
口コミサイトOpenMoneyの集計(回答者24名、平均年齢32.2歳)によると、LayerXの平均年収は846万円(中央値755万円)です。年収レンジは600〜1,500万円と幅広く、個人の等級と成果によって大きく差がつく実力主義の報酬体系となっています。
さらに2025年10月、シリーズB(150億円)の大型資金調達に合わせて新賞与制度が導入されました。従来は「賞与なし・SO(ストックオプション)のみ」だった報酬体系が一変し、査定結果に応じて最大6ヶ月分の賞与が支給される制度へとアップデートされています。
本記事では、LayerXの等級(PGグレード)別年収、新旧の報酬制度、評価の仕組み、そしてSaaS主要企業との年収比較を詳しく解説します。
LayerXの会社概要|日本最速でARR100億円に到達したAI SaaS企業
事業と成長の軌跡
LayerXは2018年8月設立のAIスタートアップです。「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げ、現在は大きく3つの事業を展開しています。
| 事業 | 概要 |
|---|---|
| AI SaaS「バクラク」 | 経費精算・請求書・稟議・法人カード・勤怠管理を一元化。累計導入15,000社超 |
| Fintech事業 | 三井物産との合弁(三井物産デジタル・アセットマネジメント)。デジタル証券「オルタナ」運営 |
| AI・LLM事業 | 生成AIプラットフォーム「Ai Workforce」。三菱UFJ銀行等に導入実績 |
資金調達と企業価値
2025年9月、シリーズBラウンドで総額150億円を調達しました。リード投資家はNetflixやSpotifyへの出資で知られる米TCV(日本のスタートアップへの投資は初)で、三菱UFJ銀行やJAFCOなども参加しています。調達後の企業評価額は約1,026億円と報じられ、ユニコーン企業の仲間入りを果たしました。
バクラク事業のARR(年間経常収益)は2025年9月時点で100億円目前に到達し、日本のSaaS史上最速での記録を更新する見込みです。従業員数は約431名(2025年9月時点)で、2028年度までに1,000名体制を目指すと公表されています。
LayerXの報酬制度|2025年10月の大改定で賞与が復活
旧制度(〜2025年9月):固定給+SOのみ
2025年9月以前のLayerXの報酬は、月額固定給にストックオプション(SO)を組み合わせたシンプルな構成でした。賞与やインセンティブの支給はなく、月給には45時間分のみなし残業代(約15万円相当)が含まれています。超過分は別途支給される仕組みです。
新制度(2025年10月〜):賞与最大6ヶ月分を導入
シリーズBの資金調達と同時に発表された新報酬制度のポイントは次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬原資 | 全体で最大10%程度拡充 |
| 賞与 | 査定結果に応じて月額給与の最大6ヶ月分を支給 |
| 基本方針 | 「Pay for Performance」──成果や役割に応じた配分 |
| 背景 | AI活用による生産性向上を従業員に還元 |
CEOの福島良典氏は「AIの力で生産性が劇的に改善し、個人の報酬を増やし、企業の競争力も同時に高まる好循環を生み出す」「将来的に世界でも最高クラスの報酬を提供できる会社にしたい」と語っています。日経新聞の取材では「社員の年収最大1.5倍も」との見出しが付くなど、スタートアップとしては異例の報酬強化策として注目を集めました。
LayerXの等級(PGグレード)別年収テーブル
PG1〜PG5の5段階等級
LayerXではPG1からPG5までの5段階の等級制度を採用しています。各グレード内にはさらに「Entry」「Standard」などのサブ区分が存在します。
| 等級 | 想定年収レンジ | 主な対象 |
|---|---|---|
| PG1 | 350〜450万円 | 新卒入社時 |
| PG2 | 500〜650万円 | 新卒2〜3年目、中途入社のエントリーレベル |
| PG3 | 650〜1,100万円 | 中途入社の多数が該当。中核プレイヤー層 |
| PG4 | 900〜1,300万円 | シニアメンバー・マネージャー層 |
| PG5 | 1,000万円以上 | 事業リーダー・ディレクタークラス |
※口コミサイト・ONE CAREER PLUSの情報をもとに筆者作成。新賞与制度導入前の水準であり、2025年10月以降は上振れする可能性があります。
キャリア入社の等級決定
中途入社(キャリア入社)の場合、PG2以上からのスタートが一般的です。前職での経験やスキル、面接を通じた見極めによって入社等級が決定されます。口コミを見ると、多くの中途入社者はPG3(700〜1,100万円帯)に格付けされています。
年齢や勤続年数ではなく成果と評価によって昇格が決まるため、入社後の活躍次第で短期間でのグレードアップも十分に可能です。
LayerXの年代別・職種別の年収水準
年代別の目安
| 年代 | 想定年収 |
|---|---|
| 20代(新卒〜3年目程度) | 400〜600万円 |
| 20代後半〜30代前半 | 600〜900万円 |
| 30代中盤〜 | 800〜1,200万円 |
| 40代以上(シニア層) | 900〜1,500万円 |
成果主義のため年代はあくまで目安です。20代後半で800万円台に到達するケースも口コミで確認できます。
職種別の傾向
OpenMoneyの集計では、営業職の平均年収が803〜819万円と報告されています。エンジニア職はスキルや専門領域によるばらつきが大きく、AI・機械学習エンジニアであればPG3〜PG4で900万円〜1,200万円帯が期待できる水準です。
LayerXの評価制度|OKRベースの半期評価
評価サイクル
LayerXの評価制度は以下の流れで運用されています。
期初にOKR(Objectives and Key Results)を設定し、四半期ごとに振り返りを実施します。評価自体は半期スパンで行われ、グレード変更(昇格・降格)は年2回です。マネージャーは創業時の2名から現在14名に増えており、組織の急拡大に合わせて評価体制も強化されています。
高評価のポイント
口コミやONE CAREER PLUSの情報を総合すると、LayerXで高評価を得る人材には「自ら課題を発見し解決に動く自走力」「チームの垣根を超えたコラボレーション」「AIやテクノロジーを活用した生産性向上への貢献」といった共通点が見られます。
行動指針「Bet AI」が示すように、AI活用を前提とした成果創出が重視される環境です。
SaaS主要企業との年収比較
バックオフィスSaaS・成長スタートアップとの比較
LayerXと同領域で競合・比較されることの多いSaaS企業の平均年収を比較します。
| 企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 備考 |
|---|---|---|---|
| LayerX | 846万円 | 32.2歳 | OpenMoney集計(口コミ24名) |
| Sansan | 約777万円 | 33.1歳 | 有価証券報告書(2024年5月期) |
| SmartHR | 約745万円 | ― | 未上場。口コミサイト集計 |
| マネーフォワード | 約711万円 | 33.5歳 | 有価証券報告書(2024年11月期) |
| freee | 約694万円 | 33.6歳 | 有価証券報告書(2024年6月期) |
※上場企業は有報データ、未上場企業は口コミサイトの集計値。データの母集団・時期が異なるため、あくまで参考値として比較してください。
比較のポイント
LayerXの846万円という水準は、バックオフィスSaaS領域ではトップクラスです。ただし口コミベースのデータのため、有報ベースの上場企業と単純比較はできません。上場企業の有報データは全従業員の平均であるのに対し、口コミデータは回答者(≒転職意向層やシニアメンバー)に偏りがちな点に留意が必要です。
それでも、新賞与制度(最大6ヶ月分)の導入後はさらに上振れする可能性が高く、スタートアップとしては極めて競争力のある報酬水準と言えるでしょう。加えてストックオプションが付与されるため、IPO時のキャピタルゲインを含めた「期待総報酬」は表面上の年収以上になります。
福利厚生と働き方|フルリモート+フルフレックス
柔軟な勤務制度
LayerXはフルリモートワークとフルフレックス制度を公式に採用しています。2025年2月時点で非関東圏在住の社員が約16%を占め、平日の平均オフィス出社率は約2割です。フリーアドレス制で、チームごとに出社日を決めるハイブリッド運用が基本となっています。
主な福利厚生
ストックオプション制度(全社員対象)に加え、ハイスペックPC支給、書籍購入補助、育休取得の推奨(役員が率先して取得)などが整備されています。エンジニアの離職率は5%以下と報告されており、技術職の定着率の高さが同社の特徴の一つです。
まとめ:LayerXの平均年収は口コミベースで846万円

いかがでしょうか?
本記事で重要なことをまとめると以下の通りです。
- LayerXの平均年収は口コミベースで846万円(平均年齢32.2歳、中央値755万円)
- PG1〜PG5の5段階等級制度。中途入社はPG2以上が一般的で、多くはPG3(650〜1,100万円)に該当
- 2025年10月に新賞与制度を導入。査定結果に応じて月給の最大6ヶ月分を支給
- 報酬原資を最大10%拡充し、「Pay for Performance」の方針を明確化
- OKRベースの半期評価。年齢・勤続年数ではなく成果で昇格が決まる
- シリーズBで150億円を調達し、企業評価額は約1,026億円(ユニコーン)
- バクラクのARRは日本SaaS史上最速で100億円に到達見込み
- バックオフィスSaaS領域で年収トップクラス。SO付与によるIPO時の期待リターンも魅力
- フルリモート+フルフレックスで柔軟な働き方が可能。非関東在住社員が約16%
- 2028年度に従業員1,000名体制を目指す急拡大フェーズで、採用機会は豊富
※本記事の年収データは口コミサイト・公開情報に基づくものであり、個人のスキル・経験・交渉力によって大きく異なります。新賞与制度の具体的な支給実績は今後のデータ蓄積を待つ必要がある点にご留意ください。












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